コンセント増設費用は、簡単な差し込み口の追加であれば数千円〜1万円前後、既存回路から分岐して新しく設置する場合は1万円〜3万円前後、分電盤から専用回路を新設する場合は2万円〜5万円以上が目安です。工事内容によっては、1か所あたり3,000円〜4万円程度の幅があるとされています。
ただし、コンセント増設は単に差し込み口を増やすだけの作業ではありません。壁の中に配線を通すのか、露出配線にするのか、既存回路に余裕があるのか、専用回路が必要なのかによって費用は大きく変わります。
また、電線を接続する作業などは原則として電気工事士の資格が関係するため、安易なDIYは危険です。経済産業省の資料でも、資格不要とされる「軽微な工事」の範囲は限定的に示されています。
この記事では、コンセント増設費用の目安、戸建て・マンション・屋外別の相場、業者選び、DIYの可否、ケース別の費用例までわかりやすく解説します。
コンセント増設の基本|費用が変わる理由

コンセント増設の費用が変わる最大の理由は、どこから電気を取るかです。既存のコンセントから近い場所に増設するだけなら比較的安く済みますが、分電盤から新しく配線を引く場合は費用が高くなります。
特に、エアコン、電子レンジ、IH、食洗機、洗濯乾燥機など消費電力が大きい家電では、既存コンセントからの分岐ではなく、専用回路が必要になることがあります。
壁の中配線と露出配線の違いが費用に与える影響
コンセント増設には、大きく分けて壁の中に配線を通す方法と、壁の表面に配線カバーを付けて通す露出配線があります。
壁の中配線は見た目がすっきりしますが、壁の構造によっては作業が難しく、費用が高くなることがあります。壁を開口したり、天井裏や床下から配線したりする必要があるためです。
一方、露出配線は壁の表面にモールと呼ばれるカバーを取り付け、その中に電線を通す方法です。見た目は少し目立ちますが、工事費用を抑えやすく、作業時間も短くなりやすいのが特徴です。
費用を抑えたい場合は露出配線、見た目を重視する場合は壁内配線を検討するとよいでしょう。ただし、どちらが適しているかは建物の構造によって変わります。
既存回路からの分岐は可能か?分電盤・回路容量の確認ポイント
コンセント増設では、既存の回路から分岐できるかどうかが重要です。
たとえば、スマートフォンの充電や掃除機の使用程度であれば、既存回路から分岐できる場合があります。しかし、電子レンジ、エアコン、冷蔵庫、洗濯乾燥機などを使う場合は、既存回路に負荷がかかりすぎる可能性があります。
確認すべきポイントは以下です。
- 分電盤に空きブレーカーがあるか
- 既存回路の容量に余裕があるか
- 使用予定の家電の消費電力
- 同じ回路で使っている家電の数
- 100Vか200Vか
- アースが必要か
- 専用回路が必要か
ブレーカーが頻繁に落ちる家では、単純にコンセントを増やすだけでは解決しません。むしろ使用できる場所が増えることで、同じ回路に負荷が集中し、さらにブレーカーが落ちやすくなることもあります。
設置場所と距離で増えるコスト
コンセント増設費用は、分電盤や既存コンセントから設置場所までの距離でも変わります。
費用が上がりやすいケースは以下です。
- 分電盤から遠い場所に設置する
- 天井裏や床下に入れない
- 壁内配線が難しい
- コンクリート壁やタイル壁に設置する
- 屋外に防水コンセントを設置する
- アース工事が必要
- 専用回路を新設する
- 200Vコンセントに変更する
近くの既存コンセントから分岐できる場合は安く済みやすいですが、分電盤から新しく配線する場合は、配線距離が長くなるほど材料費と作業費が増えます。
費用の目安と内訳|戸建て・マンション・屋外別の相場

コンセント増設費用は、建物の種類によっても変わります。戸建ては床下や天井裏を使えることが多いため比較的自由度がありますが、マンションは管理規約や構造上の制約があります。
戸建ての相場と内訳
戸建てでコンセントを増設する場合、費用目安は以下の通りです。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 差し込み口の増設・交換 | 3,000円〜10,000円 |
| 既存コンセントからの分岐増設 | 10,000円〜30,000円 |
| 分電盤から専用回路を新設 | 20,000円〜50,000円以上 |
| エアコン専用コンセント増設 | 15,000円〜40,000円前後 |
| 200Vコンセント工事 | 20,000円〜50,000円以上 |
| 屋外防水コンセント | 15,000円〜50,000円前後 |
基本的なコンセント追加は7,000円程度から、専用回路やブレーカー設置は15,000円程度からという相場例もあります。
戸建ての場合、床下や天井裏から配線できれば比較的きれいに仕上げやすいです。一方で、築年数が古い住宅では分電盤に空きがない、配線が古い、アースがないといった問題が出ることがあります。
マンションで増設する際の注意点と相場
マンションでコンセントを増設する場合、費用目安は10,000円〜40,000円前後です。ただし、専用回路や分電盤からの配線が必要な場合は、さらに高くなることがあります。
マンションで特に注意すべきなのは、管理規約と構造です。
確認すべきポイントは以下です。
- 管理組合の許可が必要か
- 共用部分に関わらないか
- コンクリート壁に穴を開けられるか
- 分電盤から配線できる経路があるか
- 床や天井に配線スペースがあるか
- 賃貸の場合、オーナーの許可があるか
マンションでは、壁の中に自由に配線できないことがあります。そのため、露出配線やモール施工になるケースも少なくありません。
賃貸物件の場合は、勝手にコンセントを増設してはいけません。必ず管理会社やオーナーに確認し、原状回復の扱いも事前に確認しましょう。
屋外コンセントや専用回路の費用目安と防水対策費用
屋外コンセントの増設費用は、一般的に15,000円〜50,000円前後が目安です。配線距離が長い場合や、専用回路が必要な場合はさらに高くなることがあります。
屋外コンセントで必要になりやすい費用は以下です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 防水コンセント本体 | 雨に強い屋外用コンセント |
| 防水ボックス | 水の侵入を防ぐカバー |
| アース工事 | 感電リスクを下げるための接地 |
| 配線保護管 | 屋外配線を守る管 |
| 専用回路 | EV充電・大型機器などで必要な場合あり |
屋外では、雨水、湿気、紫外線、虫、ホコリの影響を受けます。室内用コンセントを屋外に使うのは危険です。
庭の照明、防犯カメラ、高圧洗浄機、電動工具、イルミネーション、EV充電など、使う機器によって必要な容量も変わります。
業者に頼む場合の料金と選び方

コンセント増設は、安全性が重要な工事です。費用の安さだけでなく、資格、実績、説明の丁寧さを見て選びましょう。
ヤマダ電機・エディオンのサービス傾向と料金例の見方
家電量販店でも、エアコン設置や家電購入にあわせてコンセント工事を相談できる場合があります。
家電量販店に依頼するメリットは、家電購入と工事をまとめて相談しやすいことです。エアコン、IH、食洗機などの設置と一緒に専用コンセントが必要か確認できます。
一方で、実際の工事は提携業者が行うことが多く、現地状況によって追加費用が発生する場合があります。料金表に「専用回路工事」「コンセント交換」「電圧切替」などが載っていても、配線距離や壁の構造によって金額が変わる点に注意しましょう。
料金を見るときは、以下を確認してください。
- 基本料金に何が含まれるか
- 出張費は別か
- 配線距離の追加料金
- モール施工費
- 分電盤作業費
- 200V切替費
- アース工事費
- 現地見積もり後の追加費用
特にエアコン工事では、専用回路によるコンセント増設が別途必要になることがあります。(ケーズデンキ)
電気工事業者・個人のプロに依頼するメリットと価格比較
地域の電気工事業者や個人の電気工事士に依頼するメリットは、現地状況に合わせた柔軟な提案を受けやすいことです。
たとえば、以下のような相談に向いています。
- キッチンに複数のコンセントを増やしたい
- 分電盤から専用回路を引きたい
- 古い家の配線を確認したい
- 屋外に防水コンセントを付けたい
- マンションで増設可能か見てほしい
- 露出配線をできるだけ目立たなくしたい
費用は、簡単な増設なら1万円台、専用回路や屋外工事では3万円〜5万円以上になることがあります。地域や業者によって価格差があるため、複数社から見積もりを取るのがおすすめです。
見積もりを複数取るコツと無料調査・現地調査の活用法
コンセント増設の見積もりでは、電話だけで正確な金額を出すのは難しい場合があります。配線経路、分電盤の状態、壁の構造を見ないと判断できないためです。
見積もり時には、以下を伝えるとスムーズです。
- 増設したい場所
- 使用予定の家電
- 何口必要か
- 100Vか200Vか
- 屋内か屋外か
- 賃貸か持ち家か
- 分電盤からの距離
- ブレーカーが落ちることがあるか
- 見た目を重視するか、費用を重視するか
見積書では、以下の項目を確認しましょう。
- 出張費
- 材料費
- 配線工事費
- コンセント本体代
- モール施工費
- 分電盤作業費
- 専用回路工事費
- アース工事費
- 追加費用の条件
- 保証内容
「コンセント増設一式」とだけ書かれている見積書は、内容が不明確です。後から追加費用が発生しないよう、工事範囲を確認しましょう。
DIYでの増設はできる?やり方・必要資格と重大なリスク

コンセント増設をDIYで行いたいと考える方もいますが、基本的に電気配線を伴うコンセント増設は、無資格で行うべきではありません。
一般住宅や小規模店舗のコンセント増設・交換などは、第二種電気工事士の資格で対応できる範囲とされています。(バックオフィスの業務効率化なら「マネーフォワード クラウド」)
DIYで可能な作業と絶対にやってはいけない工程
DIYでできる可能性があるのは、電気配線に触れない範囲です。
たとえば、以下は比較的安全に行える作業です。
- 家具の配置を見直す
- 電源タップを適切に使う
- コードカバーを取り付ける
- コンセント周辺を掃除する
- 既存コンセントの使用状況を整理する
一方で、以下は無資格で行うべきではありません。
- 壁内配線をする
- 電線を接続する
- コンセント本体を交換する
- 分電盤を触る
- ブレーカーを増設する
- 200Vに変更する
- アース工事をする
- 屋外コンセントを新設する
電線相互を接続する作業などは、資格不要の軽微な工事とは別に扱われる内容として示されています。(経済産業省)
必要な工具・材料と電気工事士の資格の有無が意味すること
コンセント増設には、電線、コンセント本体、取付枠、プレート、ボックス、モール、ブレーカー、テスターなどが使われます。
しかし、道具をそろえれば安全にできるというものではありません。電気工事士の資格は、単なる形式ではなく、感電・漏電・火災を防ぐための知識と技能を持っていることを示すものです。
特に危険なのは、以下のようなミスです。
- 電線の接続不良
- 極性の間違い
- 容量不足の回路に接続
- アース未接続
- 被覆の傷
- ボックス内の施工不良
- 屋外防水処理の不足
- ブレーカー容量の誤判断
見た目は問題なくても、内部で発熱して火災につながることがあります。
失敗事例と事故リスクと安全対策の必須チェック
コンセント増設の失敗例には、以下があります。
- ブレーカーが頻繁に落ちるようになった
- コンセントが熱くなる
- 焦げ臭いにおいがする
- 差し込み口がぐらつく
- 屋外コンセントに雨水が入った
- 家電の使用中に停電する
- 配線が壁内で発熱した
- 漏電ブレーカーが作動する
これらは、単なる不便ではなく事故につながる可能性があります。
安全のためには、必ず有資格者に依頼し、使用予定の家電に合った回路設計をしてもらいましょう。特にエアコン、電子レンジ、IH、食洗機、洗濯乾燥機、屋外機器では注意が必要です。
施工の具体的な流れと作業内容

コンセント増設工事は、現地調査から始まり、配線経路の確認、見積もり、施工、動作確認という流れで進みます。
現地調査〜見積もり〜着工までの標準的な流れ
一般的な流れは以下です。
- 問い合わせ
- 増設したい場所と用途の確認
- 現地調査
- 分電盤・既存回路の確認
- 配線経路の確認
- 見積もり提出
- 工事日程の調整
- 施工
- 通電確認
- 仕上がり確認
現地調査では、単に設置場所を見るだけでなく、分電盤の空き、回路容量、配線ルート、壁の構造を確認します。
分岐工事・分電盤交換・回路新設それぞれの作業内容と時間
工事内容によって作業時間は変わります。
| 工事内容 | 作業時間の目安 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 既存コンセントの差し込み口追加 | 30分〜1時間 | 3,000円〜10,000円 |
| 既存回路から分岐増設 | 1〜2時間 | 10,000円〜30,000円 |
| 専用回路新設 | 2〜4時間 | 20,000円〜50,000円以上 |
| 分電盤交換を伴う工事 | 半日〜1日 | 50,000円〜150,000円以上 |
| 屋外防水コンセント | 1〜3時間 | 15,000円〜50,000円前後 |
分電盤に空きがない場合は、ブレーカーの増設や分電盤交換が必要になることがあります。この場合、単なるコンセント増設より費用は大きく上がります。
露出配線やモール施工、仕上げのポイント
露出配線の場合、壁や天井にモールを取り付けて配線を隠します。
仕上がりをきれいにするポイントは以下です。
- 壁紙や巾木に近い色のモールを選ぶ
- できるだけ部屋の角に沿わせる
- 家具で隠れる位置を通す
- 配線距離を短くする
- 曲がり部分を少なくする
- 屋外では防水・耐候性を優先する
露出配線は見た目が気になることもありますが、点検や修理がしやすいというメリットもあります。費用と見た目のバランスを考えて選びましょう。
ケース別の費用と事例|キッチン・エアコン・複数口など

コンセント増設は、設置場所や使用目的によって必要な工事が変わります。ここではよくあるケース別に見ていきます。
キッチンや冷蔵庫など家電専用コンセントの価格帯
キッチンは、コンセント不足が起こりやすい場所です。
よく使う家電には以下があります。
- 電子レンジ
- トースター
- 炊飯器
- 電気ケトル
- コーヒーメーカー
- 冷蔵庫
- 食洗機
- IH調理器
キッチンでのコンセント増設費用は、15,000円〜50,000円前後が目安です。電子レンジや食洗機など消費電力が大きい家電では、専用回路が必要になることがあります。
特に、電子レンジと電気ケトルを同じ回路で同時に使うと、ブレーカーが落ちることがあります。単に差し込み口を増やすだけでなく、どの家電を同時に使うかまで考えることが大切です。
エアコン専用回路が必要なケースの費用比較と注意点
エアコンを設置する場合、専用コンセントが必要になるケースが多いです。専用コンセントの増設費用は、分電盤との距離や壁・天井の穴あけの有無によって変わりますが、12,000円〜16,000円程度が目安とされる例もあります。
ただし、実際には配線距離、モール施工、分電盤の空き、200V変更などによって、3万円〜5万円以上になることもあります。
エアコン専用回路が必要になりやすいケースは以下です。
- エアコン用コンセントがない
- 既存コンセントが通常コンセント
- 200Vエアコンを設置する
- 古い家で専用回路がない
- ブレーカー容量に余裕がない
- エアコンメーカーや販売店から専用回路を求められた
エアコンは消費電力が大きいため、延長コードや通常コンセントでの使用は避けるべきです。
玄関・洗面所・トイレ・寝室など設置場所ごとのポイント
設置場所ごとのポイントは以下です。
玄関
玄関では、掃除機、防犯カメラ、照明、電動自転車の充電などでコンセントが必要になることがあります。屋外に近い場所では、防水性や配線ルートに注意が必要です。
洗面所
洗面所では、ドライヤー、電動歯ブラシ、洗濯機、乾燥機などを使います。水まわりのため、漏電やアースの確認が重要です。
トイレ
温水洗浄便座を設置する場合、コンセントが必要です。既存コンセントがない古い住宅では、専用で増設することがあります。
寝室
スマートフォンの充電、加湿器、空気清浄機、ベッドサイド照明などでコンセント不足が起こりやすい場所です。消費電力が小さい機器が中心なら、既存回路から分岐できる場合があります。
リビング
テレビ、Wi-Fiルーター、ゲーム機、照明、掃除機、充電器などで使用数が多くなります。タコ足配線になっている場合は、増設を検討する価値があります。
複数口・同時増設時の割安・追加費用の考え方
コンセントを複数箇所に増設する場合、1か所ずつ別日に依頼するより、同時に工事した方が割安になることがあります。
理由は、出張費や現地調査費、養生、作業準備をまとめられるためです。
ただし、すべてが安くなるわけではありません。設置場所が離れている場合や、それぞれ専用回路が必要な場合は、費用が大きく増えることがあります。
複数増設で確認すべきポイントは以下です。
- 同じ回路から分岐できるか
- 専用回路が必要な場所はどこか
- 分電盤に空きがあるか
- 配線ルートを共有できるか
- モールを目立たせずに施工できるか
- 将来使う家電まで想定しているか
まとめて依頼する場合は、「今すぐ必要な場所」と「将来必要になりそうな場所」を一緒に相談すると、無駄な工事を減らしやすくなります。
まとめ
コンセント増設費用は、簡単な差し込み口の追加なら数千円〜1万円前後、既存回路からの分岐なら1万円〜3万円前後、専用回路の新設や屋外コンセントでは2万円〜5万円以上が目安です。
費用が変わる主な要因は、以下の通りです。
- 壁内配線か露出配線か
- 既存回路から分岐できるか
- 分電盤に空きがあるか
- 専用回路が必要か
- 100Vか200Vか
- 設置場所までの距離
- 屋内か屋外か
- アース工事が必要か
- マンションや賃貸の制約があるか
特に、エアコン、電子レンジ、食洗機、洗濯乾燥機、IHなど消費電力が大きい家電では、単にコンセントを増やすだけでは不十分な場合があります。専用回路が必要かどうかを必ず確認しましょう。
また、コンセント増設は電気配線を伴うため、DIYで安易に行うのは危険です。感電、漏電、火災のリスクがあるため、電気工事士の資格を持つ業者に依頼するのが安全です。
見積もりを取る際は、金額だけでなく、配線方法、回路容量、工事範囲、追加費用、保証内容まで確認しましょう。複数社に相談し、用途に合った安全な工事を選ぶことが、結果的に費用を抑える近道です。

